東京都内などでの新型コロナウイルスの感染者急増を受け安倍晋三首相は6日、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を7日に発令する方針を表明した。
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パンデミックパンデミック映画(邦画)過去事例・収束でみる緊急事態宣言(緊急宣言)
【速報】#新型コロナウイルス の感染拡大を受けて安倍総理は、午後5時から国会内で行われた自民党の役員会で、あす、「 #緊急事態宣言」を発表すると表明しました。
対象は7都府県で、期間は1か月程度としています。#新型コロナ#COVID19 pic.twitter.com/0kqnJX5ngS— TBS NEWS (@tbs_news) April 6, 2020
人類は紀元前の昔から、さまざまな感染症と戦ってきました。原因も治療も十分に確立されていなかった時代には、感染症のパンデミックは歴史を変えるほどの影響を及ぼしてきました。
感染症をもたらす病原体や対処方法がわかってきたのは、19世紀後半になってからで、その後、感染症による死亡者は激減しました。
しかし、1970年頃より、以前には知られてなかった新たな感染症である「新興感染症」や、過去に流行した感染症で一時は発生数が減少したものの再び出現した感染症「再興感染症」が問題となっています。
発展途上国ばかりでなく先進国においても、脅威となっております。
【事例】
▽天然痘(人類が根絶した唯一の感染症)
紀元前:エジプトのミイラに天然痘の痕跡がみられる。
6世紀:日本で天然痘が流行、以後、周期的に流行する。
15世紀:コロンブスの新大陸上陸により、アメリカ大陸で大流行。
1980年:WHOが天然痘の世界根絶宣言。
50年で人口が8000万人から1000万人に減少。
▽ペスト
540年頃:ヨーロッパの中心都市ビザンチウム(コンスタンチノーブル)に広がる。
14世紀:ヨーロッパで「黒死病」と呼ばれるペスト大流行。
▽新型インフルエンザ
1918年:スペインかぜが大流行
1957年:アジアかぜの大流行
1968年:香港かぜの大流行
2009年:新型インフルエンザ(A/H1N1)の大流行
▽新興感染症
1981年:エイズ(後天性免疫不全症候群、HIV)
1996年:プリオン病
1997年:高病原性鳥インフルエンザ
2002年:SARS(重症急性呼吸器症候群)
▽再興感染症
・結核
紀元前:エジプトのミイラに結核の痕跡がみられる
1935~:結核が日本での死亡原因の首位
1950年:抗生物質により発生減少
現在:抗生物質に対して抵抗性を示す結核菌が現れる
・マラリア
紀元前:「マラリア」についての記録
6世紀:ローマ帝国を中心に大流行
1950年代:殺虫剤DDTなどによる根絶計画実施
現在:DDT抵抗性のハマダラカが出現
【収束】
過去のパンデミックに日本政府や自治体がどう対応したかである。結論から言えば、様々な対処を行ったが、根本的には無策でした。
なぜならスペイン風邪の病原体であるH1N1型ウイルスは、当時の光学顕微鏡で見ることが出来なかったからです。人類がウイルスを観測できる電子顕微鏡を開発したのは1930年代。
実際にこのスペイン風邪のウイルスを分離することに成功したのは、流行が終わって十五年が過ぎた1935年の出来事でした。つまり当時の人類や日本政府は、スペイン風邪の原因を特定する技術を持たなかったのです。
当時の研究者や医師らは、このパンデミックの原因を「細菌」だと考えていたが、実際にはウイルスであった。当時の人類は、まだウイルスに対し全くの無力だったのです。それでも、政府や自治体が手をこまねいたわけではありません。
大正8年(1919年)1月、内務省衛生局は一般向けに「流行性感冒予防心得」を出し、一般民衆にスペイン風邪への対処を大々的に呼びかけている。驚くべきことに、スペイン風邪の原因がウイルスであることすら掴めなかった当時の人々の、未知なる伝染病への対処は、現代の新型コロナ禍における一般的な対処・予防法と驚くほど酷似しています。以下、内務省から抜粋したものをまとめました。
▽はやりかぜはどうして伝染するか
はやりかぜは主に人から人に伝染する病気である。かぜ引いた人が咳やくしゃみをすると眼にも見えないほど細かな泡沫が3、4尺(約1メートル)周囲に吹き飛ばされ、それを吸い込んだものはこの病にかかる。
▽(はやりかぜに)かからぬには
1.病人または病人らしい者、咳する者に近寄ってはならぬ
2.たくさん人の集まっているところに立ち入るな
3.人の集まっている場所、電車、汽車などの内では必ず呼吸保護器(*マスクの事)をかけ、それでなくば鼻、口を「ハンカチ」手ぬぐいなどで軽く覆いなさい
▽(はやりかぜに)かかったなら
1.かぜをひいたなと思ったらすぐに寝床に潜り込み医師を呼べ
2.病人の部屋はなるべく別にし、看護人の他はその部屋に入れてはならぬ
3.治ったと思っても医師の許しがあるまで外に出るな
部分的に認識違いはあるが、基本的には「マスク着用」「患者の隔離」など現在の新型コロナ禍に対する対処法と同様の認識を当時の政府が持っていたことが分かりますね。
そして内務省は警察を通じて、全国でこの手の「衛生講話会」を劇場、寄席、理髪店、銭湯などで上演し、大衆に予防の徹底を呼び掛けている。
またマスク励行のポスターを刷り全国に配布しました。マスクの無料配布も一部行われたというが、現在の新型コロナ禍と全く似ているのです。
パンデミック映画(邦画)で緊急事態宣言(緊急宣言)は?
日本医師会「緊急事態宣言出せ」
東京都知事「緊急事態宣言出せ」
大阪府知事「緊急事態宣言出せ」
国民「緊急事態宣言出して!」政府「ギリギリで持ちこたえてる」
結果 東京95人
感染列島かよ pic.twitter.com/iK4PlnQpat
— R会長 (@Renochanz) April 2, 2020
『感染列島』
島国である日本において新型ウイルスの感染が蔓延した場合、どのような事態となるかを描くサスペンスSF。
『アイアムアヒーロー』
2016年に公開された『アイアムアヒーロー』は、花沢健吾の同名コミックを、「図書館戦争」シリーズの佐藤信介が実写映画化。冴えない男・英雄が謎の感染症Zqn(ゾキュン)から逃れるため、道中で出会った女子高生たちとサバイバルに挑みます。シッチェス・カタロニア映画祭観客賞、最優秀特殊効果賞受賞。
『感染』
2004年に公開された『感染』は経営難に苦しむ病院を舞台に、謎のウイルスが巻き起こす事件を描いたホラー。監督は「世にも奇妙な物語 映画の特別篇 雪山」の落合正幸。
『カメラを止めるな!』
2018年に公開された『カメラを止めるな!』は、ワンシーン・ワンカットで描かれる思わぬ事態に直面する撮影隊の様子と、その裏側をコミカルに描写したサバイバル・コメディ。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018ゆうばりファンタランド大賞を受賞しました。
昔から洋画・邦画とわず、ハンデミック映画はつくられてきました。これには元となる感染病の存在がヒントとなっています。
映画のようにきれいな収束を願うばかりです。
パンデミックで緊急事態宣言(緊急宣言)wikiで調べた
緊急事態宣言の準備入り表明見通しとの事だけど…
・都市封鎖(ロックダウン)はしない
・知事の出す外出自粛要請に強制力はなく、外出しても罰則無し
・買い物や通勤は今まで通りOK…何のための緊急事態宣言?ガバガバ過ぎてほとんど意味無いだろこんなの。
政府は感染拡大を防ぐ気があるのか? pic.twitter.com/wumJr5qwKj
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) April 5, 2020
緊急事態宣言をwikiで調べてみると、出てくる表現は少し似ている「非常事態宣言」と言ったものです。
非常事態宣言は、災害、武力攻撃、暴動、テロ、鳥インフルエンザなどの病気の蔓延などといった国家的な危機に対して、国民の生命や財産を守る観点から政府が特別法を発動することのようです。
現在はどうかと言うと、
▽災害対策基本法に基づく災害緊急事態の布告。
▽警察法に基づく緊急事態の布告。
といった2種類がこの「非常事態宣言」にはあり、いずれも内閣総理大臣が発するとのこと。
最近の事例として、
2011年の福島第一原子力発電所事故において、原子力災害対策特別措置法による緊急事態宣言(原子力緊急事態宣言)が発動されてます。この原子力災害対策特別措置法は、原子力災害に対して特別に制定された法律、ということですが、内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言を出した場合、内閣総理大臣に全権が集中し、内閣総理大臣が、政府、地方自治体、原子力事業者を直接指揮できるようになるのだとか。
知事による緊急事態宣言では、例えば、今回の北海道地による緊急事態宣言、少しさかのぼれば2010年に起きた口蹄疫の流行による宮崎県知事(当時の東国原知事)の非常事態宣言があります。
内閣総理大臣が発する非常事態宣言では、全権が内閣総理大臣に集中する、という特徴がありますが、自治体(知事)が宣言する「非常事態宣言」「緊急事態宣言」は特別法を発動するものではなく、拘束力のない要請、住民への注意喚起、というレベルのもののようです。
ただ、当然知事が宣言するものなので、今回は北海道知事が緊急事態を宣言したとなれば、自治体はその趣旨を理解し、足並みをそろえて一緒に/一斉に行動に移していく、ということになり、拘束力がないといいつつも、実際には非常におおきな力が働くことになるでしょうね。
失敗だったのは、内務省が推進した予防接種である。病原体がウイルスであることすら知らない当時の医学は、スペイン風邪の予防に苦肉の策として北里研究所などが開発した予防薬を注射させる方針を採り、接種群と未接種群との間で死亡率の乖離を指摘していますが、現代の医学から考えれば全くの無意味な政策でした。当時の技術ではそれが限界だったのです。
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